中国に行けばあなたもスパイ容疑で逮捕?-中国の「反スパイ法」の恐ろしさ

作成時間:2021年1月21日   

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もし、あなたが中国に入国した場合スパイ容疑をかけられ、拘束されるかもしれません。

13日中国でスパイ行為に関わったなどとして拘束され、1審で実刑判決を受けた日本人男性2人の上訴について、中国の裁判所がいずれも棄却し、 判決が確定していたことがわかりました。2015年以降、スパイ行為などを疑われてこれまでに少なくとも15人の日本人が拘束されています。

拘束された日本人は「反スパイ法」と関連していると指摘する声があります。反スパイ法は「スパイ行為を防止、制止、処罰し、国家の安全を保持する」(同法第一条)を目的に2014年11月に施行されました。すべての個人と組 織を対象としていますから、外国人や外国組織にも対象とされており外国のメディア、企業、NGOなどの民間団体も含まれます。

そのため、旅行目的で中国に入国した場合でも反スパイ法により監視対象とされてしまいます。軍事施設の近くにいると知らずに写真を撮影していると 中国当局にスパイ行為と疑われてしまい、拘束されてしまうという事態も実際にあります。 さらに、すべての公民と組織は、当局の防諜活動に協力し、スパイ行為を「発見」した場合には、その情報を速やかに報告する義務を負っている(同法第二十条と二十一条)と規定されているので、誤認などにより 拘束されてしまう可能性があります。

スパイ行為を疑われた場合、徹底的に中国当局に調べられます。 ネイチャーフォトグラファーの青山 潤三氏はスパイ行為を疑われ逮捕されいたときのことを現代メディアの記事のなかで

「丸2日間ホテルの部屋に缶詰めになり、公安が泊まり込みで見張っています。起きている間は、1日中ビデオカメラで撮影され続けるのです。」

「パソコンの専門家が、持っていた100枚近いCDとDVDおよびUSBメモリーの内容を全てチェックしました。すべてが終わり釈放されたのは、3日目のことでした」と語っています。ちなみに青山氏は2度もスパイ容疑で逮捕されています。(もちろん冤罪のため釈放)

青山氏は釈放されましたが、冤罪であっても釈放されずそのまま起訴されてしまう場合もあります。

なぜならば司法、裁判所や捜査当局が中国共産党の指揮下に置かれていて、共産党が全ての法律を超越しているからです。政治上の理由や外交のカードに利用されるために拘束される例が存在します。

スパイ活動の容疑で、元外交官で紛争緩和コンサルタントのマイケル・コブリグと、北朝鮮への業務渡航を手配するコンサルタントのマイケル・スパバは、滞在先の中国で身柄を拘束されました。中国共産党と密接な関係を持つIT企業ファーウェイの孟晩舟(モン・ワンチョウ)副会長兼CFO(最高財務責任者)が、カナダで詐欺容疑で逮捕されたことへの報復です。

調査会社チャイナワイズ創業者のピーター・ハンフリー氏は中国に拘束された際の出来事をNewsweekの記事で語りました。

ピーター・ハンフリー氏は2013年から15年までの2年間、M&A絡みの企業情報を不法に入手したという容疑で収監されていました。

ピーター・ハンフリー氏は「起訴前の身柄拘束が脅迫の手段として使われており、事実上の拷問となっている。逮捕されたら拘置所に入れられるが、そこでは人間の尊厳も抵抗意欲も奪われて、いわゆる「自白」を強いられる。もちろん、そんな状況で罪を認めた供述が本物のわけはない。」と自白を強要させられる実態を明かしています。

国民の日本に対する反感をあおるために日本人を標的にするなど外交上のカードや政治利用のために拘束。たとえ無実でも自白を強要させられ公正な扱いや公正な裁判を受けることは期待できない。法治国家とは名ばかりの中国ではそれが可能なのです。

中国に入国した場合、日本の常識や倫理など通用しないことを理解しましょう。