英首相が親中派であることを忘れてはいけない

作成時間:2021年1月22日   

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英国のボリス・ジョンソン首相は議会特別委員会の委員長らに対し、「英国にも英政府にも、軽々しく中国嫌悪に傾いてほしくない」と訴えたとAFP通信が報じました。

AFP通信の記事によるとジョンソン首相は、「中国と良好な関係を保ち、自由に交流し、率直に意見できる世界を望んでいる」と述べ、「率直に意見し、人権侵害を非難するからといって、状況が許す限り、生産的な関係の維持を諦めるべきではない」と訴えたとしています。

ジョンソン氏は中国による香港民主派の弾圧を非難し、香港人の英市民権取得を容易にする方針を発表し、 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)を第5世代(5G)移動通信網から排除するなど中国に対し圧力を強めてきました。

しかしジョンソン首相は残念ながら反中派の政治家ではありません。

ジョンソン首相は首相就任に先立って行われた鳳凰衛視(フェニックステレビ)のインタビューに応じました。インタビュー内では『私は中国を非常に支持している』『英国はヨーロッパで最も開かれた国で、特に中国からの投資に対して最も開かれた国であることを忘れてはならない』『英国は中国資本を心から歓迎する』と中国愛が溢れる発言を連発。

ロンドン市長時代には、事業促進を目的とした中国ツアーを敢行。中国有数の起業家や投資家、高官らと交流した後、当時のジョンソン市長の後押しにより、科学技術を促進するロンドンと北京の相互協定が結ばれました。 さらにロンドンと上海の2大金融拠点の連携を強化。その結果、上海・ロンドン株式相互接続(ストック・コネクト)が正式に始まっています。(2日、中国が一時的に停止

ジョンソン首相は今後3年の間に華為技術の5G網の関与を完全に排除する方針を決定していますが、当初はコア部分を除き、その他周辺機器については中国の華為技術の参入を容認すると決定していました。

親族は親中派の人間が名を連ねます。

ジョンソン首相の父親スタンリー・ジョンソン氏は駐ロンドン中国大使と面識があります。 スタンリー・ジョンソン氏は駐ロンドン中国大使の劉暁明氏と面談し、イギリス高官に劉大使の意向を伝えていたことが明らかになっています。

弟ジョー・ジョンソン氏は大学担当大臣在任中、イギリスの大学代表団を率いて中国視察ツアーを行い、中国の教育大臣らと対談し、レディング大学と南京情報科学技術大学(NUIST)との提携を取り付けました。

首相の異母弟、マックス・ジョンソン氏は北京大学でMBAを取得した後、香港のゴールドマン・サックスに入社。現在は中国向けに製品を販売する企業を対象とした投資会社を運営しています。

このようにジョンソン首相は中国の帯一路一構想を支持するなど生粋の親中派です。

そもそも、華為技術排除や新疆ウイグル自治区での強制労働に関与している企業をサプライチェーン(供給網)から排除するなどの対中圧力は中国と激しく対立する米国に追随した面が大きいだけです。

これからの英国の対中圧力はバイデン政権がどれだけ対中圧力を強化できるかにかかっています。