中国による偽情報拡散、アジアでワクチン接種進まない原因に

By マーク・レイブンヘッド

中国は欧米製の新型コロナワクチンに対する不信感を広めるために組織的に偽情報を拡散している。

欧州連合(EU)が4月に発表した報告書によると、中国の国営メディアが昨年12月から4月にかけて、ワクチンの安全性に関する懸念を扇情的に伝えるフェイクニュースを複数の言語でオンライン上に流し、欧州におけるワクチン接種と死亡例との間に根拠のない関連性を持たせていた。

この中国による偽情報拡散がアジアで接種進まない原因となっている。

ブルームバーグが報じた:

カシダさんは「他の国でワクチンが原因で死亡した人の数や、それがどう隠蔽(いんぺい)されているかについて、フェイスブックで投稿をたくさん読んだ」と話す。「私の母も民間治療師に相談したが、ワクチンは私の心臓に影響を及ぼす恐れがあると言われた」という。

東南アジアの感染中心地にはカシダさんのように、国内から、あるいは米国のワクチン反対運動から発せられるSNS上の偽情報に影響されて接種を急がない、もしくは完全に拒否している人が何百万人もいる。こうしたデマが東南アジアの一部でワクチン接種に消極的な姿勢に拍車をかけ、アジアでも感染リスクが高いこの地域で接種を促し新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を終わらせる取り組みを妨げている。

新規感染者が世界で最多の中に入るにもかかわらず、東南アジアでワクチンへの抵抗が広がっていることを最近の調査が示した。世論調査会社ソーシャル・ウェザーステーションによると、フィリピンでは接種を受けるか分からないか、接種に消極的だとの回答が68%に上った。タイの調査では3分の1の人が接種に懐疑的か拒否すると答え、インドネシアの調査では5分の1近くの人が接種をためらっていることが示された。

ワクチン接種反対のデマが、こうした消極的な姿勢の大きな原因であり、これは限られたワクチン供給という問題を既に抱えている国々で接種をさらに遅らせている。タイとフィリピンでは接種を1回のみ受けた人ですら全人口の10%に満たない。

カテゴリー: 国際

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